もともと銀行であった空間が、バーとして蘇る。

バーは不思議な空間。カウンターの向こう側から。いったいどのように見られているのだろう。初対面のバーテンダーは仕事に専心し、寡黙だ。

鎌倉アルプスを歩き、鎌倉宮でバスに乗り鎌倉駅に。建長寺から登頂を始め、約2時間半だろうか。かなり歩いた気もするのでやたらバーで飲みたくなった。夕暮れ時の由比ヶ浜通りを歩く。この鎌倉遺産のようなレトロなビルにも明かりが灯っている。近所の有名なフレンチやスパニッシュの店も開店の準備に余念がない。いよいよ鎌倉の夜が始まる。

新しいバーテンダーはおとなしいのか。黙々と仕事をしている。バーテンダーには会話好きと控えめの両タイプがいる。私はどちらでも構わない。カクテルが美味しいのなら。嫌いなのがやたら高い古酒を進めるタイプ。少し高いくらいなら良いが。興味のない酒にべらぼうな金額を払う気にはならない。